# デジタルスキル標準v2.0アップデート - 3つの論点と、DX推進・教育担当者のアクション

公開日: 2026-04-19 / 執筆者: 箕輪　旭 / カテゴリ: リテラシー, DX人材, 人材・組織, 戦略

2026年4月、経済産業省とIPAが「[デジタルスキル標準（DSS）ver.2.0](https://www.ipa.go.jp/jinzai/skill-standard/dss/about.html)」を公表しました。2022年12月のver.1.0以来、生成AIの普及に合わせて改訂が重ねられてきましたが、今回は「バージョン2.0」と銘打たれた、これまでで最も大きな改訂です。

改訂内容を一言で表すなら、「個別の課題解決から、組織全体の変革へ」という方向転換です。旧版のDSSは、個別のビジネス課題をどう解決するかに注目した人材定義でした。新版は、**会社全体としてDXの波を作っていく**ことを目指した内容に刷新されています。

その変化を象徴する論点は、大きく3つあります。**ビジネスアーキテクト類型の再定義、データマネジメント類型の新設、そしてデザインマネジメントの提唱**です。本記事では、この3つを順に解説したうえで、DX推進・教育担当者として何をすべきかを考えます。

## 論点① ビジネスアーキテクト類型の再定義 - 「案件を動かす人」から「組織を動かす人」へ

### 何が変わったか

旧版のビジネスアーキテクト類型には、「新規事業開発」「既存事業の高度化」「社内業務の高度化・効率化」という3つのロールが定義されていました。いずれも、特定の案件やプロジェクトを推進・実行する人材を想定した定義です。

新版では、この3ロールが全面的に刷新されました。新たに定義されたのは**「ビジネスアーキテクト」「ビジネスアナリスト」「プロダクトマネージャー」**の3ロールです。

この変化を理解するうえで有効な見方は、「切り口が変わった」ではなく「上流が追加された」というものです。旧版の3ロールは、新規事業・既存事業・業務効率化という対象領域の違いはあれど、いずれも「プロジェクトを自ら推進・実行する人材」という点で共通していました。**新版のプロダクトマネージャーは、この旧版3ロールの後継にあたる**と考えるとわかりやすいでしょう。現場でプロダクトやプロジェクトを動かす役割として、実質的に継承されています。

では、新たに加わったビジネスアーキテクトとビジネスアナリストは何者か。これは、近年多くの企業で立ち上がった**DX推進専門組織の役割を定義したもの**だと言えます。ビジネスアーキテクトは「経営戦略を全体最適の事業構造に落とし込み、変革のロードマップを立案する」役割、ビジネスアナリストは「その戦略を実行するために、全社の共通的な方針を設計する」役割です。いずれも、**個別の案件を実行するのではなく、組織横断でDXの設計と推進を担う人材**です。

旧版のDSSには、DX推進部門が担うべき役割の定義が存在しませんでした。現場で案件を動かす人材の地図しかなかったため、DX推進部門のメンバーが「自分はどのロールを目指すべきか」を参照しようとしても、答えが見つからなかったのです。新版はその空白を埋めました。**現場人材が目指すのがプロダクトマネージャーで、DX推進部門の人材が目指すのがビジネスアーキテクトとビジネスアナリスト**、この対応づけが、今回の改訂の核心です。

### DX推進担当者がすべきこと

今回の改訂を受けて、DX推進担当者がとるべきアクションは3つあります。

**① DX推進組織のロールを再設計する**

DX推進部門に所属する方は、今回追加された「ビジネスアーキテクト」と「ビジネスアナリスト」を参照して、自分たちの役割を再定義することをお勧めします。重要なのは、ロール定義をそのまま社内ポストに当てはめることではありません。DSSはあくまで汎用の指針であり、「このスキルセットを誰が担うか」を自社に合わせて設計することが求められます。これは既に多くの日本企業が行っているDSSを自社の要件に当てはめてスキルセットを再定義する取り組みの延長にあります。

**② DX推進組織内でのスキルを習得する**

自部門に必要なスキルを棚卸しすることも有効です。「全社のDX戦略を設計する力（ビジネスアーキテクト）」「そのDX戦略を共通ルールとして落とし込むアーキテクチャ設計力（ビジネスアナリスト）」のうち、自部門に不足しているスキルはどれかを確認し、育成計画に反映することが次の一歩になります。

**③ 現場へのプロダクトマネジメント教育を進める**

旧版の3ロールはプロダクトマネージャーに対応づけられる、つまり現場人材が目指すべきロールです。DX推進部門が組織横断の戦略を担えるようになるためには、現場側がプロダクトマネジメントの基礎を身につけていることが前提になります。現場へのプロダクトマネジメント教育を、DX推進部門の役割と並行して進めることが、組織全体のDX底上げにつながります。

## 論点② データマネジメント類型の新設 - 「データを使う前に、データを整える」

### 何が変わったか

旧版のデータサイエンティスト類型には、「データビジネスストラテジスト」「データサイエンスプロフェッショナル」「データエンジニア」の3ロールが定義されていました。いずれも、**データを「活用する」**ことに注目した役割です。

新版では、データエンジニアがデータサイエンティスト類型から切り出され、新設の「データマネジメント類型」に統合されました。データマネジメント類型には、「データスチュワード」「データエンジニア」「データアーキテクト」の3ロールが定義されています。この変化の背景を理解するには、日本企業のデータ活用の現場で起きている2つの問題を知る必要があります。

**問題① データスワンプ（沼）**

「とりあえずデータを集めておいて、使うときに考えればいい」という発想は一見合理的に見えますが、現実には機能しません。目的のないデータ収集は、部門ごとに定義がバラバラ、フォーマットが統一されていない、どこに何があるかわからない、という「**データスワンプ（沼）**」と呼ばれる状態を招きます。データサイエンティストが「分析したい」と思っても、そもそも**使えるデータが見つからない**、という事態です。

**問題② データ品質**

仮にデータが見つかったとしても、品質が担保されていなければ意味のある結果は得られません。**ゴミデータからはゴミアウトプットしか生まれない**、というのがAI活用の現実です。「売上」という言葉ひとつとっても、経理と営業で指している数字が違う、といったことが日本の大企業では珍しくありません。生成AIに入力するデータの品質が低ければ、出力される結果も信頼できない。データサイエンティストがいくら優秀でも、品質が担保されていないデータからは価値を引き出せないのです。

この2つの問題を解決するために、データを**「活用する」前に「整える」専門の役割が必要**である。これがデータマネジメント類型が独立した理由です。

### DX推進担当者がすべきこと

データマネジメントを体系的に学ぶ上での参照先として、DAMA（国際データマネジメント協会）が刊行する「**DMBOK（Data Management Body of Knowledge）**」があります。データガバナンス、データアーキテクチャ、データ品質管理など、データを組織の資産として管理するための知識体系がまとめられており、データマネジメント領域の国際標準として広く活用されています。

自社のデータ活用が思うように進んでいない場合、問題はデータサイエンティストの能力ではなく、データそのものの整備状況にある可能性があります。まずDMBOKの全体像を学び、自社のデータ管理の現状を棚卸しすることをお勧めします。

## 論点③ デザインマネジメントの提唱 - デザイン思考を「手法」から「組織変革の力」へ

### 何が変わったか

今回の改訂では、**デザインマネジメント実践スキル**が「変革スキル」として格上げされました。「様々な関係者の連携や共創をデザインの素養を基に促す」スキルと定義されています。

DX推進の文脈でよく語られるデザイン思考は、「正解のない問いに向き合うための思考法」として広まってきました。ロジカルシンキングが事実や数字から論理を組み立てるのに対し、デザイン思考は人の気持ちや行動に注目し、問題の本質を問い直すアプローチです。この発想は、変化の速い時代のDXに欠かせない力です。

しかし、これまでのデザイン思考の使われ方には限界がありました。ワークショップで**個別の課題を解くための手法**として活用されることが多く、結果として「個別の課題解決止まり」になるケースが目立ちました。

DSSv2.0が提唱するデザインマネジメントは、その一段上を求めています。デザイン思考を手法として知っているだけでなく、それを組織の中で継続的に機能させる仕組みをつくること。関係者の合意を引き出し、**組織変革そのものをデザインする力**です。デザイン思考はデザインマネジメントの中核をなす考え方ですが、デザインマネジメントは「**組織をデザインする力**」という、より広い文脈に位置づけるものと言えます。

これは、論点①で触れたビジネスアーキテクト類型の変化とも連動しています。DX推進部門が個別プロジェクトを超えて組織全体の変革を動かすには、技術スキルだけでは足りません。異なる立場の関係者を巻き込み、変化への抵抗を乗り越え、組織を動かす力が必要です。その力の土台がデザインマネジメントです。

### DX推進担当者がすべきこと

デザイン思考を学んだことがある方は、その知識を「個別の問題解決」だけでなく「組織の変革に使う」という視点で捉え直してみてください。DSSv2.0が求めているのは、デザイン思考を武器として持ちながら、それを組織の中で機能させる力です。

デザイン思考をまだ学んでいない方にとっては、今が始めるタイミングです。ロジカルシンキングとデザイン思考はどちらが優れているかではなく、場面に応じて使い分ける力が求められます。特にDX推進の文脈では、正解のない問いに向き合い、多様なステークホルダーを巻き込みながら変革を進める場面が多く、デザイン思考の素養は実践的な武器になります。

## DX推進・教育担当者が果たすべき役割

今回のDSSv2.0の改訂を貫くテーマは、一つです。**DXの対象を「個別の課題」から「組織全体」へと広げよう**ということです。

ビジネスアーキテクト類型の再定義は、DX推進部門という組織が担うべき役割を明文化しました。データマネジメント類型の新設は、AI活用の前提としてデータを整える役割の重要性を示しました。デザインマネジメントの格上げは、組織変革を動かすための人間的な力を求めています。

教育・人材育成担当者にとっては、今回の改訂は「単なるバージョンアップ」ではなく、人材育成の根本設計を見直す機会です。DX推進部門の役割定義、データマネジメントの基礎知識、デザインマネジメント、この3つを研修体系の中にどう位置づけるかを検討することが、次の一手になります。

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出典: スタディメーター株式会社 — https://studymeter.jp/insights/1cf5s-7vlc

執筆者プロフィール: スタディメーター株式会社　代表取締役。オンライン学習サービス「Udemy」にて、非エンジニア向けの分かりやすく実践的なIT講座がベストセラーとなり、 これまでに25万人以上を指導。さらに活動の幅を広げるため、2020年にスタディメーター株式会社を創業。 「挑戦したくなる世界」の実現を目指して、新しい一歩を踏み出したい人のサポートに取り組んでいます。
