# フィジカルAIの最前線 - Amazonの物流新事業に学ぶ生成AI活用

公開日: 2026-05-04 / 執筆者: 箕輪　旭 / カテゴリ: 事例, 生成AI, 施策立案（業務改革）

「**フィジカルAI**」という言葉をよく耳にするようになりました。生成AIがデジタルの世界から現実の物理空間に出てくる、という意味合いで使われるキーワードです。しかし、言葉として広まってはいるものの、「実際にどういうものか」がイメージしにくいのも正直なところではないでしょうか。

そこで本記事では、Amazonが2026年5月に発表した物流の新事業を題材に、フィジカルAIが現場でどう機能するのかを具体的に紹介します。

## フィジカルAIとは

フィジカルAIとは、AIが物理的な空間や機器と連携して、リアルタイムに判断・行動するシステムのことです。

いままさに流行している「生成AI」は、文章を書いたり、画像を生成したり、データを分析したりと、「画面の中」で動くものでした。フィジカルAIはこの生成AIを応用して、現実世界の予測を実現しようとする考え方です。「**生成AIをロボットの動作に利用する仕組み**」と理解すると分かりやすいでしょうか。

しかし、生成AIを使わない従来のロボットでもかなり高度な動作をしますから、「フィジカルAI」とわざわざ新しい名前がつく意味を理解しにくいことも事実です。そこで、従来のロボットとフィジカルAIがどう違うのか、これまでも高度なロボットを使いこなしてきたAmazonの事例をもとに考えていきましょう。

## Amazonが「物流を外販」し始めた

2026年5月、Amazonは[「Amazon Supply Chain Services（ASCS）」を発表](https://www.aboutamazon.com/news/retail/amazon-supply-chain-services-for-business)しました。これは、**Amazonが自社のために構築してきた倉庫、配送、在庫管理などの物流インフラを、他の企業にも開放するサービス**です。Amazonは過去にも同様の手腕でAWS（Amazon Web Services）を成功させています。もともと「Web上の本屋」だったAmazonが事業拡大のためにIT基盤を拡張し、そのIT基盤自体が新しい売り物になった、これがAWSです。ASCSも同様に、ECサイトとして培ってきた物流の基盤を新サービスとして提供するもので、既にP&G、3M、American Eagle Outfittersといった大手企業が利用を開始しています。

さて、ここで1つ疑問があります。Amazonの物流技術は昔からかなり有名で、倉庫の中をロボットが縦横無尽に駆け回る動画を見たことのある方も多いはずです。ともすれば、**5年前でも、このサービスを始められた**のではないでしょうか。なぜ今、物流事業を立ち上げたのでしょうか。その答えが、フィジカルAIにあります。

## フィジカルAIが、Amazonの物流を変えた

Amazonは2012年にロボットメーカーを買収して以来、倉庫の自動化に巨額の投資を続けてきました。棚を運ぶロボット、仕分けをするロボット、梱包をするロボット。その数は2020年時点で約20万台に達していたそうです。

しかし、ここに限界がありました。従来のロボット制御はあらかじめ決められたルールに従って動き、問題が起きたら対処する「反応型」でした。ロボットが増えれば増えるほど、それぞれの動きが干渉し合い、渋滞やボトルネックが生まれやすくなります。ルールベースの制御では、何万台ものロボットが複雑に絡み合う状況をリアルタイムで最適化することに限界があり、**これ以上のロボット導入が難しい**状況にありました。

その天井を突き破ったのが、生成AIを応用した「**DeepFleet**」というAIモデルです。100万台のロボットの位置・動き・相互作用のデータを学習したこのモデルは、**倉庫全体の「次の状態」を予測**し続けます。渋滞が起きる前にルートを変える。ボトルネックになる前に動きを調整する。問題が起きてから対処するのではなく、起きる前に回避する。この**「予測型」への転換**が、フィジカルAIの本質です。

結果として、ロボットの移動効率は10%改善されたそうです。100万台規模での10%は、配送スピードとコストに直結する大きな変化です。そしてこのフィジカルAIの仕組みによって自社の物流管理の限界を突破できたからこそ、この仕組みを他社にも提供する新事業に踏み出せたのです。

## DX推進担当者にとっての示唆

Amazonの事例は、従来のロボットとフィジカルAIの違いや、その効果を分かりやすく理解できます。

そして、この変化はAmazonだけの話ではありません。製造、建設、医療、小売。物理的な現場を持つあらゆる業界で、同じ問いを立てることができます。生成AIによって、従来のロボットの限界をどのように超えられるのか。ぜひこの事例をもとに、自社の現場におけるフィジカルAIの活用について、考えてみてください。

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出典: スタディメーター株式会社 — https://studymeter.jp/insights/8wtqma8t6v

執筆者プロフィール: スタディメーター株式会社　代表取締役。オンライン学習サービス「Udemy」にて、非エンジニア向けの分かりやすく実践的なIT講座がベストセラーとなり、 これまでに25万人以上を指導。さらに活動の幅を広げるため、2020年にスタディメーター株式会社を創業。 「挑戦したくなる世界」の実現を目指して、新しい一歩を踏み出したい人のサポートに取り組んでいます。
